【2025年版】8年ぶりにPCを買い替えてデータ移行などに苦労した話
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現行PCを購入したのが2017年。スペックがそこそこ良いものを買っていたので、直近まで不具合や重さなどは感じていなかったのですが、構成パーツがWindows11に対応していなかったり、高解像度のPCゲームを快適に遊びたいので、この円安だという時代に買い替えることにしました。
準備不足や確認不足があって、新PCへの移行は結構骨が折れました。「HDDを引っこ抜いて新しいPCに繋げばなんとかなるやろ」と思っていたのですが、浅はかでした。また、最新の仕様にも疎くなっていたため、用語もわからないものがあったり、いつもと違うメーカーで買ったので想定外のことがあったり、などなど。ってなことを自分のメモ的に書いておきます。今からPCを新調したい方が読んでおくと、いくつかのトラブルは避けられるかもしれません。
構成
| 構成 | 旧PC | 新PC |
|---|---|---|
| CPU | Intel Core i7-7700 | Intel Core i7-13700 |
| OS | Windows10 | Windows11 |
| メモリ | DDR4 PC4-19200 8GB×2 | DDR5-4400MHz 16GB×2 |
| ドライブ(メイン) | Crucial CT525MX300SSD (2.5inc SATA3 525GB )※1 | 256 GB SSD M.2 2280 PCIe-NVMe Gen4 TLC OPAL対応 |
| ドライブ(サブ) | SEAGATE ST2000DM001 (SATA3 2TB)※2 | ※追加購入したもの Crucial T500シリーズ 1TB M.2 2280 PCIe Gen.4×4 NVMe CT1000T500SSD8JP |
| ドライブ(その他) | バルク品のSSD×2 バルク品のHDD×1 | 旧PCのSSD※1 HDD※2を流用 |
| グラフィックボード | NE51070015P2-1043D (GeForce GTX1070 8GB DUAL) | NVIDIA RTX™ A2000 12GB GDDR6 |
| 購入 | ドスパラ | Lenovo(ThinkStation P3 Tower) |
| 金額(税・送料込み) | 183,556円 | 330,616円 (追加SSD+12,780円) |
うーーん、高い! 物価高になっているもの原因だと思いますが、グラボ(NVIDIA A2000)単体だけで10万、CPUだけでも6万くらいします。PCは趣味だけでなく、個人的な仕事(クリエイティブ関連)で使うのでメモリも多め、消費電力も気にしました。予算よりお高い買い物になってしまいましたが、ただ他のPC販売メーカーに比べるとかなり安くはありました。見繕ってくれた友人に感謝。
いろんなトラブル
ハードディスクがない!?

これは単に私の知識不足です。新PCが到着し、セットアップ前に中を覗いてみたのですが、SSDが見当たらない。私が思い描いていたのは2.5インチのSSDです。が、最近はM.2というインターフェイスのSSDが主流になっていて、形としてはほぼメモリ。しかもヒートシンクが付いているパターンもあって、見た目はCPUみたいな感じになってます。8年も経てばそりゃ変わるかと勉強になりました。
追加のSSD
最初はOSが入ったプライマリのSSD、セカンダリとして旧HDDの構成だったのですが、ここまで新しくするならセカンダリもSSDにするかと思い立ち追加でCrucial T500シリーズ 1TBを購入。これはヨドバシで。旧HDDに入っていたデータをセカンダリSSDにコピーするのには、crucialサポートページにあった無料のデータ転送ソフトAcronis True Image for Crucialが使えます。
Lenovoのマザボがなんか変
追加購入したSSDを上記写真の追加M.2 SSDにつけようと思ったのですが、Lenovoのマザボがなんか変で、特別なアダプタ(ブラケット)がないと「?」の部分に付けられないことが発覚。んなもん知るか! ネットで検索したら「ThinkCentre M.2 2280 SSD キット」「ブラケット キット Solid State Bracket Drive Kit 互換品」という名称で個別で売ってましが、ゴムのみで1200円くらい、ヒートシンク付きで2000円くらいする。小さいゴム部品なのに…。メルカリだと4000円もする(誰が買うねん)。AliExpressだとなんと300円で、一番良心的である。

すぐにSSDを使いたかったので、適当な木の棒(ダボ)をカッターで削って仮のストッパーにしておきました。要は浮くのを止められたらいいのです。これで2か月間使用してましたが何の異常もありませんでした。

二か月後、ヒートシンク付きのブラケットを購入。送料込みで2000円ほど。

取り付け後。
ちなみにマニュアルを読んでもアダプタが必要なことは明記してません。Lenovoで買った最大の不満点でした。こんなことなら注文時にセカンダリSSDを追加しとくべきだったと後悔(でもプラス五万くらいする)。こんなの付属品で最初から入れておくべきでしょ。
あとこの筐体ですが、デフォルトではHDDが1台しか増設できません。一応3台まで増設は可能とマニュアルには書いてあるものの、これまた専用のドライブゲージが必要らしい。こんなの事前には知りようがないよね…。SATAのケーブルも1本付いてるけど、増設の際は別に用意しないといけません。
ドライブは何を・どれだけ増設したいかは購入時視野に入れておくべきだと痛感しました。ドスパラは普通に拡張性があって良かったのになぁ…。ってことで今後Lenovoは買いません。
旧SSD・HDからのデータ抜き出しとGPT保護パーティションでHDDが読めない件
前述のとおり、新PCには拡張性があまりないため、従来の複数のドライブに分かれていたデータを整理することにしました。ドライブが多いのはクリエイティブ作業する際の、制作データ・写真データ・参考データなどで保存する場所を分けていたためです。制作データはとくにPSD・クリップスタジオ・Blenderなど様々なデータがあって容量を食いまくってます。あと地味にフォントの容量もデカい。

まず2.5インチのSSDからデータを抜きだすのですが、そこで便利なのが「外付けHDD SSDケース 2.5インチ」と呼ばれているアクセサリ。ケースに2.5インチのSSDを差すだけで、USB接続できる優れものです。私はロジクールのを使ってますが、1000円くらいで安価なのもうれしい。余ったSSDが手軽に恒久的に外部ストレージとしても使えるので、この商品は買って損なしです。

HDDにも似たようなアクセサリがあって、HDDをUSBで接続できる「SATA-USB変換ケーブル」というのがあります。私が持っているのはだいぶ前に買った「サンワサプライ IDE/SATA-USB変換ケーブル」。ただこれが問題でした。

USBを差しても新PCで全然認識してくれないんです。正確に書くと、ドライブ自体はUSBのところで「usb to ata/atapi bridge」と表示されて認識はしている。けど、エクスプローラーでファイル表示はもちろんドライブそのものが表示されてません。

Windowsの設定>ハードディスク パーティションの作成とフォーマットで調べてみると、対象のHDD(上図 ディスク4)が「GPT保護パーティション」となっていました。うーん…以前はWindows10で使用していたHDDなのだから、Windows11でも読めるはずなんだけどなぁ。
この変換ケーブルがもしかすると悪いかも(古すぎて)と思い、新PCの蓋を開けて、内部のSATAで接続するとすんなりと認識してデータが読めました。ただ作業中はずっと蓋を開けっ放し&HDDは床に置いたままの状態なので、あくまでもデータを抜き出すための臨時措置です。
Windows7時代に使っていたHDDを新PCに変換ケーブルでつないでみたところ、普通に認識されてデータも読めました。いったい何が原因なのかは謎です。
BitLockerの復元で4時間かかった
色々作業している中で、旧HDDをいったん取り外し、改めて差してPCを起動したところ、旧HDDがBitLockerで暗号化ロックされていました。おそらく発生した手順はこう
1・旧HDDをPCに繋いで、OSのセットアップ作業。この時ドライブ名は「D」
2・旧HDDを抜き、追加購入したSSDを差してPCを起動。SSDのドライブ名は「E」
3.追加購入したSSDのドライブ名を「D」に変更
4・旧HDDをPCに繋いで再起動。BitLocker発動。
どうも最初のOSセットアップ時にBitLockerをONにして作業を進めてしまっていたらしい。復元には48文字のキーが要るって書いているのですが、そんなもの見た覚えがない…やばい詰んだ…。と思いましたが、BitLockerの暗号キーはMicrosoftアカウントと紐づけされているらしい。

別のPCからhttps://aka.ms/myrecoverykeyからMSサイトにログインしたらキーがありました。助かったと思いきやここからがおかしなことに。
暗号キーを入力してHDDの暗号化解除が始まったものの、解除処理のステータスが全然進まない。待つこと4時間……。ようやく解除できてデータも見れることを確認。
セットアップ時や移行時はBitLockerはいったん解除しとこ!と思いました。そもそも要るんかなぁこれ。
旧PCのCドライブで使用していたSSDに書き込みができない
上記の外付けHDD SSDケースを利用して、旧PCのメインで使用していたSSDのデータを吸い出していたのですが、ふと書き込み自体ができないことに気が付きました。まあ権限の問題やろと権限付与しても、ファイルを追加しようとするとエラーが出る。
0x80070522(クライアントは要求された特権を保有していません)
このエラーで検索したところ、整合性レベルHighが設定されているのが原因のようでした。
icacls H:\. /setintegritylevel (OI)(NP)(IO)Medium
上記のように、ドライブ名を指定して、icalsコマンドを用いてsetintegritylevelをMediumに設定すると直りました。この文言で検索すれば詳しい情報にたどり着けるはずなので、ここでは解決法だけ書いておきます。
Windows11 セットアップ時に気になったこと
ネット接続が必須
セットアップ時にネット接続が必要でした。スキップくらいできるやろと思ったのですがそれもできず。旧PCではWi-Fi子機を使ったネット接続だったので、まず子機のドライバーを探さないといけない。別のノートPCでドライバーを落としてきて、USBメモリで保存、それを新PCに付けて読み込み。子機を認識して事なきを得ました。適切な長さのLANケーブルも家になかったのであやうく詰むところでした。
Microsoftアカウントが必須
Windows11からセットアップ時にMicrosoftアカウントが必要になりました。昔はローカルアカウントでも出来ていたのが禁止になった模様です。
なのでアカウント名を決めておらず、その場で思い浮かんだものを超適当に決めてしまいました。あとパスワードとPINコードという2種類のパスワードが必要なのでそれも決めておかなくちゃいけません。Windows11のログインはPINコードでログインします。
こまごまとしたソフトの引継ぎ
ソフトの引継ぎは、新PCのユーザデータフォルダに頻繁にアクセスすることが多いため、Windowsマーク+Rでファイル名を指定して実行、%APPDATA%と入力しておくことで簡単にフォルダが開くことができます。このショートカットをデスクトップに作っておけば捗ります。
ID Manager
新PCではあらゆるアカウントにログインしていくことから、まずは旧PCで使用していたパスワードマネージャーソフトを移行しました。私の場合はID Managerにすべて保存しているのですが、レジストリ不要の単独ソフトのためフォルダをコピペするだけで移行完了です。
Orchis
Orchisの設定ファイルは下記にあります。旧Cドライブの該当フォルダからデータを抜き出し、Orchiをインストール際に設定ファイルを読み込むことでできるので、このファイルを指定することで復元可能。
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\CommonoFactory\Orchis\config.ocs
クリップスタジオ
下記のガイダンスの操作でOKでした。https://support.clip-studio.com/ja-jp/faq/articles/20190152
私の環境は「1.10.12以前」だったので、Windowsの[ドキュメント]フォルダー内にある[CELSYS]フォルダーをコピーして新環境に持っていくだけでOK。
Dropbox
dropboxはダウンロードしてきてインストールする。初期の同期フォルダがCドライブのフォルダになっているため、それ以外のフォルダを同期する場合は、タスクバーのDropboxアイコンを右クリック>名前アイコンをクリック>基本設定>同期>Dropboxフォルダの場所の設定を変えておく。
Chorome
Chromeのブックマークを同期しておらず、旧PCから自力で抜き出すことに。複数のプロファイルを使い分けていたのでかなり面倒だった。ちゃんと同期しときゃよかった。
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Google\Chrome\User Data\Default
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Google\Chrome\User Data\Profile 1
上記フォルダに入ってるbookmarkというファイルを新環境にコピペするだけ。ただコピペすると現状のブックマークに「上書き」ではなく「追加」されることに注意。つまり何度もコピペするとめっちゃ追加されます。
Sublime Text
Preferences -> Settings -> User の内容をコピペするだけで良いらしいけど、なんか色々入れてたのでいったん整理をするうえでも再インストールすることにしました。日本語化だけがちょい面倒。あとプラグインによってはNode.jsを入れておく必要があるのでこれもインストール。
AdobeCCとPhotoshop・Illustorator
PhotoshopとIllustoratorは大昔に購入したもの。Windows11でも使えるのか謎でしたが、普通にインストールして使用できました。Adobe税は払いたくないので一生大事にせねば。あとWindows10で起きてた、デスクトップからファイルがドラッグ&ドロップできないという超めんどくさいエラーが直っていた。新しくしてみるもんですね。
AdobeCCは普通に公式サイトから実行ファイル落としてきて入れるだけ。フォントの再インストール(ダウンロード)が必要なのでやっておくこと。
FileZilla
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\FileZilla
上記フォルダに設定ファイルがあるので旧環境からコピペするだけ。
まとめ
拡張性は調べておこう
新しい規格でケーブル等が不足するかもなので事前に用意しておこう
ということでトラブル続きのPC移行でした。
備忘録として残しておきます。
